やまとごころ
まぁる、まる、まる、まる/しかく、まる、さんかく/しかく、さんかく、しかく/まる、まる、まぁる……。大小さまざま、色とりどりの丸や四角形や三角形が、やわらかな、うすむらさき色の上にリズミカルにならんでいます。この絵をえがいた宇治山哲平(うじやまてっぺい)は画面(がめん)のおくにひそんでいる「音のない響(ひび)きともいうべきもの」を求めていました。
作者 | 宇治山 哲平(うじやま てっぺい) |
素材・技法 | 画布(がふ)に油絵具(あぶらえのぐ) |
制作時期 | 1985年 |
サイズ | たて 100.0cm × よこ 100.0cm |
丸(円形)や三角形などの形がリズミカルに並んでいます。明るく優しい色合いも、絵の楽しく感じる雰囲気の理由の一つでしょう。宇治山哲平は「絵とはなにか」を考えた結果、絵の表現には「色」と「形」の二つの要素しかないと気づいたそうです。そして、色とりどりのシンプルな形で構成された絵画を描くようになります。それは、ときにユーモラスで、ときに堂々として、ときに神秘的です。「太陽、風、石、山脈、凍土(とうど)、動植物など、あらゆる自然のリズムや形象を、極めて単純な記号のような原形にまで抽象化して生気をよみがえらせたいと願っています」「私は壮大(そうだい)な秩序(ちつじょ)とリズムを絵画に夢見ています」と、宇治山は言っています。「色」と「形」の奏でるリズム、音色が聞こえますか?
宇治山哲平の絵は明るく軽やかな色彩にあふれていますが、その色合いは穏(おだ)やかな柔(やわ)らかさも持っています。それは宇治山が郷土の自然や日本の古い文化から影響を受けたからかもしれません。「やまとごころ」のシリーズは宇治山が晩年に手がけた作品群ですが、これらは「王朝」シリーズの流れをくむものです。「王朝」シリーズでは、故郷・大分県日田盆地の深い霧(きり)の清らかで奥深い美しさ、そして、平安・藤原時代の仏画や絵巻物の繊細(せんさい)で優美な、情感あふれる美しさが着想源となったと宇治山は述べています。
数えてみましょう!
小さな形や大きな形・・・
まるで、たくさんの色と形が踊っているようです。
一つ一つの形をよく見てみましょう。どんな形がいくつありますか?
: 個
: 個
: 個
他に見つけた形を描いてみましょう!