セントラルパークにて
赤や黄色、緑などの明るい色の画面(がめん)には、よく見ると黒や茶色の線で人や鳥がえがかれています。絵のタイトルは「セントラルパークにて」。セントラルパークとはアメリカ合衆国(がっしゅうこく)の大都会(だいとかい)ニューヨークにある大きな大きな公園(こうえん)で、人々がからだや心をやすめ、リフレッシュするような場所(ばしょ)となっています。作者の福沢一郎(ふくざわいちろう)はアメリカを旅したときにこの絵をえがきました。
作者 | 福沢 一郎(ふくざわ いちろう) |
素材・技法 | 画布(がふ)に油絵具(あぶらえのぐ) |
制作時期 | 1965年 |
サイズ | たて 130.0cm × よこ 102.5cm |
画面からあふれでてくるような明るい色彩。赤や黄色といった原色を中心に、緑や紫、茶色や黒で生き生きと描かれた公園は、きらめく太陽の光にみちているようです。福沢一郎ははじめは落ち着いた色彩でかっちりとした輪郭(りんかく)の絵を描いていましたが、ある時期から赤、青、黄などの原色を多く使うようになります。ブラジルやメキシコを旅した時に目にした人々や造形物の生命力に刺激されたからだと言われています。その後、アメリカでは、差別に立ち向かう黒人の人々のエネルギーにひかれました。《セントラルパークにて》にも黒人の女性が描かれています。
画面左側に描かれているベビーカーを押す女性は黒人女性だと言われています。福沢一郎がアメリカを旅した1965年は公民権運動が高まりを見せていた時期でした。公民権運動とは、アフリカ系アメリカ人よって展開された、差別撤廃(てっぱい)と平等、市民としての自由と権利を求める社会運動です。福沢は、社会の仕組みや問題を分析(ぶんせき)し、社会のありかたに対するメッセージを込めた絵をくりかえし描きましたが、アメリカの公民権運動にも注目してこの運動が持つエネルギーを素早いタッチで何枚も描きました。《セントラルパークにて》で描かれるのは公園の穏(おだ)やかな日常ですが、そのなかには、白人の子どもを子守りする黒人女性という当時の社会構造の縮図とともに、福沢が黒人社会のなかで感じた力強さと美しさもまた見出せるでしょう。
ここには女性と子どもが描かれています。
どんな女性に見えますか?
元気 優しい たのもしい 悲しい ほか( )
なぜそう思いましたか?
( )
ここはアメリカのニューヨーク市にある公園です。
この絵のお話を考えてみましょう。
ここには があります。
ここの公園は や の音が聞こえてきます。
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参考写真:セントラルパーク(アメリカ合衆国、ニューヨーク市)
あなたの行く公園はどんなところですか?
みんな公園で何をしていますか?
どんな音がしますか?
何色が多いですか?