海亀図
(うみがめ ず)

(かめ)を上・下、横から見たようすがこまかくえがかれています。カメラもない昔、亀がどんな生き物かを伝(つた)えようと工夫(くふう)したのでしょう。記録(きろく)すること、伝えること。それらが画家(がか)の仕事(しごと)だった時代(じだい)がありました。

作者 尾形家(おがたけ) 作者について
素材・技法 紙に絵具(えのぐ) 【紙本着色】
制作時期 江戸時代
サイズ たて 40cm × よこ 28cm、たて 27cm × よこ 40cm、たて 27cm × よこ 39cm

この絵は、福岡藩(黒田藩)の殿様に絵を描くことを仕事として仕えていた尾形家という一族に伝わったものです。絵と言っても、注文された絵を描くときの手助けとして描いたもので、下書きやお手本、スケッチなどがほとんどです。これらを見ると、数百年前の画家がどのような絵を描くことを求められていたかがよくわかります。伝説などに登場する人物や想像上の風景を描くことを求められることもあれば、目の前の生き物をできるだけ正確に忠実に描くことを求めらることもありました。この絵には、亀の頭や甲羅の模様、皮ふのデコボコ、ところどころに付いているフジツボなどがとても細かく描かれています。写真も動画もない時代、画家たちの絵の腕前だけが頼りでした。

この絵は油で溶いた絵具で描かれています。この絵が描かれたとされる江戸時代から幕末にかけての日本では、とても珍しい技法でした。そういった絵具で絵を描いていたのはヨーロッパなどの海外の画家たちでした。当時の日本は海外との交流を制限していましたが、長崎など一部の地域で交流ができ、その長崎に尾形家の画家たちも行っていました。尾形家の画家のひとり、尾形探香は長崎を訪れた外国の人々の様子を描き残しています。ちょっとした事件をまるでカメラマンが撮影するように描きとめることも当時の画家の仕事でした。尾形探香の外国人のスケッチは福岡藩のお役目であった長崎警固のための資料であったとも言われています。

この絵は植物や鳥、魚などの生き物を記録するために、細かく描かれたものです。
ここでは亀を上から、下から、そして横から見た様子が記録されています。

〇どんな亀でしょうか。
〇亀の甲羅は上から見た時と下から見た時と違いはありますか。
 同じところ:
 違うところ: 

いろいろな角度(方向)から描いてみよう!
あなたも気になるものを、いろいろな角度から見てみましょう。
じっくり観察したら、上から、次に横から、そして下から見た様子を描いてみましょう。
下から見ることができないものは、後ろから見てみましょう。
たくさん集まると図鑑になるかもしれませんね。

美術館で作品を見る時も前からだけでなく、いろいろ角度を変えて見てみましょう!
新しい発見があるかもしれません。