パステル
パステルは、顔料(がんりょう)とよばれる色のついた粉と炭酸カルシウムなど、それに少しだけ接着ざいをまぜ、ねって固めたものです。顔料にもっとも近いともいわれ、顔料のもつ風合い(ふうあい。ものの特徴(とくちょう)がよくあらわれた感じ)や、あざやかな色がそのまま絵にあらわれます。油絵具や水彩絵具のようにまぜあわせることは難しいため、たくさんの色を準備しておくと便利です。やわらかいソフトパステルと、かたいハードパステルがあります。ただ線をひくだけではなく、指先や指の腹(はら)でこすったりけずったりすることで様々な表現ができます。
<ほかにもこんな画材>
クレヨン
クレヨンは棒(ぼう)の形をした固形の画材です。あつかいやすく、保管もしやすいため、小学校や保育園・幼稚園などでもよく使用されます。水彩絵具のように絵具がかわく前と後で色が違うということも起こらないので、イメージした色でぬりやすい画材でもあります。顔料(がんりょう)とよばれる色のついた粉と、油脂(ゆし。植物や動物からとった油のこと)とロウ(蜜(みつ)ロウ、木(もく)ロウ、パラフィン、合成ワックスなど)をまぜてねり固めて作られます。
クレヨンという言葉は古くからあり、炭酸カルシウムである白亜(はくあ。やわらかい性質をもつ白い岩石)を意味するフランス語の「クレイcraie」という言葉の後ろに、「小さな塊(かたまり)」を意味する「-on」をつけて生まれました。何百年も昔、18世紀の頃までは、パステルやコンテ(天然の顔料を固めたチョークのような画材)、木炭などもクレヨンとよんでいたようです。今でもフランス語では鉛筆(えんぴつ)のことをクレヨンといいます。
木炭(もくたん)
木炭(もくたん)は、ヤナギ、ブドウ、ホウ、カバなどの木を原料としています。それらの枝や幹をよくかわかし、蒸(む)し焼きにして墨(すみ)にしたものです。黒い線を引いたり色をぬったりできます。同じ黒でも材料や焼き方によってちがいがあります。材質がやわらかいため、濃(こ)いところと淡(あわ)いところの表現やボカシの表現などに取り組みやすい画材です。数ある画材のなかでも木炭は最も古い歴史をもつものの一つだと言われています。